現代社会におけるインターネットは、私たちの生活に欠かせないものです。あなたも、ブログを書いたり、メールをしたり、日常的にインターネットを利用していると思います。

webエンジニアはwebサイトなどのアプリケーションを開発・運用する職種であり、インターネットがある限りwebエンジニアの需要がなくなることはありません。

webエンジニアは業務未経験者でも転職をすることができる職種です。そして、20代30代であれば、職種を変えての転職も比較的やりやすい年代です。

しかし、webエンジニアに関する十分な情報収集を行わずに転職すると、転職後にしんどい思いをすることになります。ここでは、webエンジニアに未経験から転職するときに押さえておくべきポイントについて解説します。

まずは、webエンジニアの仕事内容を紹介します。その後、「仕事で求められるスキル」「どのような企業に転職できるのか」「年収の実態」について順に解説します。

webエンジニアの仕事内容を解説

最初に、webエンジニアの仕事内容を確認しましょう。webエンジニアの仕事は、「webブラウザで動くアプリケーションを設計・開発・運用すること」です。

ちなみにwebブラウザとは、「Internet Explorer」「Microsoft Edge」「Google Chrome」などのソフトウェアで、あなたも日常生活や仕事で頻繁に利用していると思います。

あなたに調べたいことがあれば、手元にあるスマートフォンを利用してwebブラウザでサイトを検索すると思います。ここで検索してヒットするサイトも「webブラウザで動くアプリケーション」の1つです。

例えば、転職をしようと思ったときに、多くの人は転職サイトで求人を探します。下に紹介しているのは、大手転職サイトのdodaです。dodaのサイトもwebブラウザで動くアプリケーション(webアプリケーション)です。

キーワードを入力する検索窓に、あなたが探したい職種や条件を入力し、検索ボタンをクリックすることで、希望に沿った求人を検索することができます。

また、頻繁に検索されるキーワードは、あらかじめ選択できるように設定されています。こうすることで、利用者が目的の求人を探しやすくなります。

ほかにも、勤怠を管理するシステムもwebブラウザ上で動くものがあります。私がかつてアルバイトをしていたドラッグストアでは、出勤時と退勤時にパソコンで勤怠システムをwebブラウザで開いて、出勤時間と退勤時間を入力していました。

そして、webアプリケーションを作成するときには決めなければならないことがたくさんあります。

例えば、webアプリケーションはプログラミング言語で作成しますが、プログラミング言語はたくさん知られています。どのプログラミング言語でwebアプリケーションを作成するかを決めることもwebエンジニアの仕事の1つです。

また、作成したアプリケーションはバグが発見されると、その都度バグを修正しなければなりません。例えば、特定の文字を入力すると動きが止まってしまうようなエラーが発生する場合は、エラーが発生しないようにプログラミングのコードを改善する必要があります。

このような、webブラウザ上で動くアプリケーションの設計・開発・運用をすることがwebエンジニアの仕事内容です。

未経験でもwebエンジニアに転職できる理由

では、あなたは「転職サイトを設計して下さい」「転職サイトを適切に運用して下さい」と依頼されて、どのようにすればよいかわかりますか? ほとんどの人は「どうすればよいか全くわからない」と感じると思います。

実は、webエンジニアは新卒で採用される人も、ほとんどがwebエンジニアに必要な知識がない人です。つまり未経験者です。なかには大学が文系学部出身者もいます。

そして、webエンジニアの未経験者を募集している求人は実際にあります。さきほど紹介したdodaで「webエンジニア 未経験」で求人を検索すると、以下のように少ないながら求人が見つかります。

このなかから、実際の求人例を1例紹介します。下に紹介するPRSホールディングス株式会社の求人は、パソコンの電源の入れ方がわからないような完全な未経験者でも応募できます。

PRSホールディングス社は、東京都中央区に本社があるシステム開発やweb制作事業を展開している企業です。

では、なぜ未経験者でもwebエンジニアとして就職・転職できるのでしょうか。それは、入社後に研修を受けるからです。

PRSホールディング社の求人も仕事内容の欄には、入社後に研修を受けることが記載されています。

webアプリケーションは、プログラミング言語でコードを記述することで作成します。研修では、プログラミング言語の基礎の基礎から学び、webエンジニアとして働くために必要な知識を身につけます。

研修の形態は会社によって異なります。自社内で定められたカリキュラムを受けることもあれば、外部のスクールに通うこともあります。

私の知り合いで、未経験からwebエンジニアに転職した人は、外部のスクールに通わせてもらい、以下のようなテキストで勉強したと教えてくれました。

研修が終わると、簡単なサイトのメンテナンスから任されます。いきなり難易度の高い仕事を任されるわけではありません。

難易度が低い案件は、webサイトの文字の修正・削除が該当します。これは文言修正と呼ばれ、簡単な案件の1つです。

例えば、私がメモ帳で「未経験者がwebエンジニアに転職!」というタイトルのwebサイトを作成して、「このサイトでは転職情報を紹介しています」という本文を記載したものが下の図です。

このサイトの内容を「このサイトでは転職情報を紹介しています」から「このサイトは現在準備中です」に変えることも文言修正です。

webサイトを作成するときにプログラミングをしなければなりません。プログラムの内容は下の図です。

単純な例なので、どの部分がタイトルで、どの部分が本文かはわかりやすいと思います。文言修正をするときには、このファイルを修正することになります。

このような簡単な仕事を確実にこなせるようになると、徐々に難易度の高い仕事を任されるようになります。

仕事で求められるスキルを理解する

未経験でwebエンジニアに転職する場合は、プログラミング言語の知識や、webアプリケーションの運用経験は求められません。では、転職後にどのようなスキルが求められるのでしょうか。採用担当者は面接であなたのどの部分を見るのでしょうか。

webエンジニアとして働くときに求められるのは、第一に「論理的思考回路」です。

webアプリケーションを設計・開発・運営をするときには、多くの問題に直面します。このときに、どのような解決策をとるべきかを論理的に考えなければなりません。

例えば、webアプリケーションに新たな機能を追加する場合を考えます。このとき、どのようなコードを書くべきか、コードを追加したことでほかのコードに影響が及ばないかなどを検討しなければなりません。そして、これらの作業は闇雲に行うのではなく、筋道を立てて進めなければなりません。

また、webエンジニアはきめ細かさも求められます。さきほど紹介した私が作成したwebサイトですが、以下のように1つ「/」がないだけで、正しく表示されません。

webアプリケーションを開発・運営するときも、このように細かい点に注意を払いながらプログラミングしたコードを見なければなりません。

このようにwebエンジニアで働くときには、「論理的思考回路」と「きめ細かさ」が求められることを覚えておきましょう。

転職の際に準備しておきたいこと

では、実際に転職活動をするときには、どのような準備をする必要があるでしょうか。

未経験者として転職するので、なぜ職種を変えて転職しようとしているのかを説明しなければなりません。つまり、志望動機に説得力を持たせなければ、転職を成功させることは難しいです。

具体的には、以下のようなことを考えておかなければなりません。

  • 自分に何ができるのか
  • なぜwebエンジニアになりたいのか
  • webエンジニアになって何をしたいのか
  • 将来的にはどのような仕事をしたいのか

これらを踏まえた志望動機の例を示します。

私は現在、営業職で働いています。仕事で扱うシステムを利用している中で、webエンジニアの仕事に興味を持ちました。実際に書籍を購入して、プログラミングの勉強も始めています。

未経験ですが、営業で培ったお客様に商品をわかりやすく丁寧に説明するスキルはwebエンジニアになっても活かせると考えています。

将来は、多くの人に利用してもらえるwebアプリケーションの設計・開発に携われるようなwebエンジニアになりたいです。

このように、採用担当者にあなたがなぜwebエンジニアになりたいのかを論理的に説得力を持って説明できるよう準備をしなければなりません。

webエンジニアのやりがい

webエンジニアとして働くと、どのようなやりがいを感じることができるのでしょうか。私の知り合いで、webエンジニアとして働いている人は以下のように話してくれました。

仕事をしていてすごく楽しい。webエンジニアの仕事で作成したものは形に残る。自分が作ったものが動いて、価値があるものであれば多くの人に使ってもらえる。

自分が作ったものが人の役に立っていると感じられることが一番のやりがいになっている。

また開発段階では、技術書やインターネットでプログラミングのコードを調べて、試行錯誤を繰り返す。プログラムはアルファベット1文字違うだけで動かなくなる。

なぜ目的の動きをしないのかがわからないときは、挫折しそうになることも多いが、トライ&エラーを繰り返した結果、目的の動きをするプログラムができたときは、何とも言えない喜びを感じる。

このようにwebエンジニアは、便利なwebアプリケーションの開発に携わることができ、社会に貢献できるやりがいと達成感がある職種です。

少しでも早く転職活動を始めるべき

ここまで紹介してきたように、webエンジニアには未経験でも転職可能です。ただし、注意しておかなければならないことがあります。それは、求人によっては年齢制限があることです。

例えば、下図の株式会社計装エンジニアリングの求人は、経験者でも未経験者でも応募できます。しかし、経験者は「年齢不問」ですが、未経験者は「40歳以下」に限られます。

計装エンジニアリング社は、神奈川県と東京都千代田区に事業所を構えて、システム開発の受託事業だけでなく、プラント関連事業も展開しています。

実は、年齢制限を設けることは雇用対策法で禁止されています。雇用対策法には、「その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」と明記されています。

では、計装エンジニアリング社の求人のような年齢制限は、法律違反になるのでしょうか。実は、一部の例外が認められています。この求人はその例外に該当するので違反ではありません。

具体的には以下の場合が例外に該当します。

長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

(例)35歳未満の方を募集

ほかにも、定年が60歳のため60歳未満を募集することも例外事由に該当します。

では、未経験者がwebエンジニアにスムーズに転職できるかというと、それは容易なことではありません。これらは採用する会社の立場になるとわかりやすいです。

未経験者の30歳と新卒の20代前半を比較したときに、どちらを採用した方が会社にとってメリットが大きいでしょうか。あなたが採用担当者なら、新卒を採用するのではないでしょうか。

つまり、未経験者は年齢と共に転職が厳しくなります。表向きは年齢制限をしていなくても、不採用になる可能性は十分にあります。

そのため、未経験者が転職を成功させるためには、少しでも早く転職活動を始めることが転職成功の鍵です。

未経験者が応募できるのは、ほとんどがSIer

webエンジニアを募集している企業は、大きく以下の2つに分けられます。

  • 自社が運用するwebアプリケーションを設計・開発する
  • 他社が運用するwebアプリケーションの設計・開発を請け負う

後者の、他社が運用するwebアプリケーションの設計・開発を請け負う企業のことを「SIer(システムインテグレーター/エスアイヤー)」と呼びます。

実は、webエンジニアが活躍している企業のほとんどはSIerです。そして、未経験者が応募できる求人のほとんどはSIerの求人です。

実際の求人例を1例紹介します。東京都新宿区にオフィスがある株式会社D.I.Worksの求人です。この求人には、受託開発や客先に出向して開発に携わることが挙げられています。

そして、D.I.Works社の求人では自社サービスの開発にも携わる可能性についても記載されています。入社の時点ではどのプロジェクトに携わるかはわかりません。

ちなみに、冒頭で紹介したPRSホールディングス社は、求人票や会社ホームページを見ても、自社のシステムを開発するのか他社のシステムを開発するのかは判断できません。

一方で、自社が運用するwebアプリケーションを設計・開発する会社の例は、転職サイトを運営している会社が該当します。例えば、大手転職サイトのdodaはパーソルキャリア株式会社が運営しています。

パーソルキャリア社のwebエンジニアは、自社の事業に必要なwebアプリケーションに携わります。その一方で、SIerのwebエンジニアは他社が事業で利用するwebアプリケーションに携わることを認識しておく必要があります。

・SIerは納期が厳しく設定され、激務になりがち

では、それぞれの事業形態で働き方にどのような違いがあるのでしょうか。

webアプリケーションを自社開発する場合は、開発依頼が自社内からあります。その一方で、SIer企業は他社から開発依頼を受けます。

また、1つのwebアプリケーションを開発するのは、1社のSIerだけではありません。SIerごとに開発技術の強みが異なるので、さらに下請けのSIerに開発の一部を依頼することもあります。つまり、複数のSIerによる共同作業でwebアプリケーションを開発します。

webアプリケーションはこのような形態で開発を進めます。そのため、SIerは納期に従って業務を進める必要があり、下請け企業になればその納期はより厳しくなります。

SIerでwebエンジニアとして働くと、他社が扱うwebアプリケーションを設計・開発するため、納期のプレッシャーが大きくなることを理解して転職しなければなりません。

未経験でwebエンジニアに転職したときの年収の実態

最後に、webエンジニアに未経験から転職したときに、どのくらいの年収をもらうことができるのかについて紹介します。

ここまで2社の求人を紹介しましたが、提示されている年収はそれぞれ以下の通りです。

いずれの求人も未経験者だけでなく、経験者も応募可能です。そのため、未経験者が応募した場合は、提示されている年収の最低額を目安にする必要があるでしょう。そうすると、転職時の年収は300万円~400万円くらいになると考えられます。

webエンジニアは、システムエンジニアの1つです。そして、システムエンジニアの平均年収を厚生労働省が毎年行っている賃金構造基本統計調査で確認すると、約570万円です。

全産業の平均が約500万円なので、システムエンジニアは平均年収が高い職種といえます。しかし、webエンジニアに未経験で転職した直後の年収は、システムエンジニアの平均年収よりも200万円ほど低い額になることを認識しておかなければなりません。

また、賃金構造基本統計調査の業界別の平均年収をグラフ化したものが下の図です。業界によって、平均年収が大きく異なることがわかると思います。ちなみに、webエンジニアなどのIT業界で働くエンジニアは、情報通信業の企業で働くことが多いです。

引用:令和元年賃金構造基本統計調査をグラフ化

あなたが現在グラフの左側の業界で働いているのであれば、転職によって年収が下がる可能性があります。一方で、グラフの右側の業界で働いていれば、転職によって将来的には年収アップが期待できます。

あなたの現在の年収とシステムエンジニアの平均年収、求人で提示されている年収を十分に比較・検討することで、年収面での転職失敗を防ぐようにしましょう。

まとめ

ここでは、20代30代の未経験者がwebエンジニアに転職するときに、確認しておくべきポイントについて整理しました。

webエンジニアは、webアプリケーションの設計・開発・運用です。利用者が目的を達成するために必要な機能を組み込み、スムーズに利用できるようにメンテナンスをします。

未経験からwebエンジニアに転職した場合は、転職後に研修を受けることになります。webエンジニアとして働くために必要な知識をゼロから身につけていきます。

webアプリケーションは、私たちの生活にとって身近なものです。webエンジニアは、自分が作ったものが世の中の役に立つことを感じられるやりがいがある職種です。

仕事をする上で求められるスキルは「論理的思考回路」と「きめ細かさ」です。転職活動のときには、これらをアピールすることで転職成功につながりやすくなります。

なお、未経験者が応募できる求人は、ほとんどがSIerです。SIerは他社が利用するwebアプリケーションを開発し、納期が厳しくなりやすいことを認識しておきましょう。

webエンジニアは、全職種のなかでは平均年収が高い職種です。転職直後の高年収は期待できませんが、長く勤めることで高年収を得ることができる可能性があります。

研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。