規模の小さい企業で働いていると、大手企業への憧れを抱くことがあります。私の周りにも大手企業に就職した知り合いが何人かいますが、内定の報告を受けたときは純粋に「羨ましい」と感じました。

インフラエンジニアは多くの企業で募集をしています。当然そのなかには、大手企業からも求人も含まれます。

実は大手企業と一言で言っても、さまざまな企業があります。また、インフラエンジニアは多くの業界で働いています。そのため、大手企業への転職を目指すときには視野を広げて求人を探す必要があります。

ここでは、インフラエンジニアが大手企業に転職するために必要な情報を解説します。具体的には、「インフラエンジニア を募集している大手企業」「転職で求められる技術・スキル」「大手企業で働く魅力」について順に解説します。

インフラエンジニアが働く大手企業の種類

ITインフラはあらゆる業界で利用されています。

例えば、病院では患者情報が電子カルテのサーバーに保存されています。そして、血液検査結果、CT・レントゲンなどの画像診断結果を保存したサーバーも設置されており、これらはインフラ基盤の上に成り立っています。

ほかにも、銀行では顧客情報がサーバーに保存されています。銀行の窓口だけでなく、ATMからもお金を引き出すことができ、金融機関でもインフラ設備は構築・運用されています。

図(ATM)

このように多くの業界でインフラ設備が利用されていることがわかります。つまり、それだけ多くの業界でインフラエンジニアの需要があることを意味しています。

まずは、具体的な求人例を確認しながら、どのような業界から大手企業の求人が出されているのかを確認しましょう。

情報通信業のSIer企業

最初に紹介するには、SIer企業の求人です。SIer企業の中には、大手企業に分類される企業もあります。

下に紹介するのは、東京都に本社があるSIer企業の求人です。なお、この求人は企業名は非公開になっていました。

図(NO3/トップ)

SIer企業は、ITインフラの設計・構築を受託して、依頼元企業のITインフラを構築することで利益を得ています。つまり、自社ではなく他社のITインフラ構築に携わります。

図(SIer企業)

大手のSIer企業は中小規模のSIer企業と比べて、多くのプロジェクトを請け負うことができます。

また、次に紹介する求人は、SIer企業から業務委託を受けるSIer企業の求人です。この会社も会社名は非公開の大手企業です。

図(NO5/トップ)

SIer企業は他社のシステムを構築することが仕事です。しかし、複数のSIer企業が関わることもあり、以下の図のようなピラミッド構造になっていることが多いです。

図(SIer/ピラミッド)

つまり、下流になる程、開発依頼元からの要求が厳しくなります。そのため、締め切りに追われやすく、ブラック企業になりがちです。

SIer企業に転職するときには、顧客と直接契約を交わすプライム案件が多い企業を中心に探すと、仕事が激務になりにくいです。

さまざまな業界の大手企業がインフラエンジニアを募集している

インフラエンジニアが活躍しているのは情報通信業の企業だけではありません。

ITインフラはほとんどの企業で構築され、運用されています。そのため、インフラエンジニアはあらゆる業界で需要があります。

つまり、情報通信業以外の業界に目を向けることで、転職の選択肢が広がります。

そして、どの業界でも大手企業はあります。情報通信業にこだわらず、ほかの業界も含めて求人を探すことで、転職できる可能性が高まります。

実際の求人例を2件紹介します。

1件目の求人は、フラッシュメモリーメーカーの求人です。つまり業界は製造業に分類される企業の求人です。

図(NO1/トップ)

この企業に採用されると、工場におけるITインフラの構築・管理業務を担当します。

2件目の求人は、主にヘルスケア・美容事業の展開をしている企業の求人です。この業界は製造業かサービス業に分類されます。

図(NO4/仕事内容)

仕事内容は、グループ全体のシステム基盤を設計・構築・運用です。

私がかつて働いていた化学メーカーでは、グループ内で情報共有するためのツールがありました。そのツールの掲示板機能を使えば、書類のテンプレートや製品の取扱説明書をダウンロードすることができました。

大手企業に転職するときに求められる技術・スキル

大手企業のインフラエンジニア の求人は様々な業界から出されていることがわかりました。では、転職するときには

ITインフラの設計・開発・運用経験は必須

インフラエンジニアが大手企業に転職するときには、必ずインフラエンジニア の業務経験が求められます。

前の章でさまざまな業界でインフラエンジニアの求人が出されていることを紹介しました。

英語力があればグローバル企業に転職しやすい

大手企業は従業員数が多く、拠点も複数構えていることが多いです。企業によっては、海外に支店を構えていることもあります。

海外支店で働くと仕事で英語を使う場面が必然的に増えます。そのため、海外にも視点があるような大企業で働くときには英語力が求められることがあります。

大手企業のインフラエンジニア で働く魅力

 

技術力を高めることができる

大手企業は従業員を多く抱えています。そのため、技術力の高いインフラエンジニアと一緒に仕事ができる可能性が中小企業と比べて高いです。

所属している企業に、技術レベルが高いインフラエンジニアが在籍していれば、あなたの技術力も伸びやすいです。

逆に同じ職場のインフラエンジニアの技術レベルが低いと、成長はあなたの意識次第です。周囲のエンジニアの技術レベルが低く、モチベーションも低い環境に身を置いた状態で、「自分だけは頑張る」と自己研鑽を続けるのは、精神的にはしんどいです。

図(周囲の環境により成長が変わる)

大手企業で働くと技術レベルの高いインフラエンジニアと一緒に仕事ができる可能性が高いです。今後さらに技術力を高めたいと考えていれば、そのような環境に身を置くことは有効な手段です。

高年収をもらうことができる

大手企業で働く魅力の2点目は、高年収をもらうことができる可能性が高いことです。

例えば、冒頭で紹介したSIer企業の求人では、以下のように450万円〜650万円が提示されています。

図(NO3/年収)

ここまで6件の求人を紹介しました。これらの求人で提示されている年収を紹介した順にまとめたものが下の表です。なお、全ての求人が企業名は非公開でした。

企業 提示年収

(万円)

SIer(NO3) 450〜650
SIer(NO5) 600〜1000
工場(NO1) 500〜1150
ヘルスケア・美容(NO4) 500〜700
保険会社(NO7) 1000〜1199
ITソリューション企業(NO6) 500〜899

これらの年収が高いかどうかは、政府が毎年調査している賃金構造基本統計調査で確認することができます。インフラエンジニアを含むシステムエンジニアの年齢別の平均年収をグラフ化したものが下の図です。

図(SE/年齢別平均年収)

引用:賃金構造基本統計調査より

この統計と比較すると、ここまで紹介した6件の求人で提示されている年収は高い水準であることがわかります。

また、賃金構造基本統計調査では、企業規模ごとの年収も調査しています。システムエンジニアが働く企業の従業員数ごとの平均年収をグラフ化したものが下の図です。

図(SE/企業規模ごとの平均年収)

引用:賃金構造基本統計調査より

従業員数が1000人を超える大企業は、従業員数が1000人未満の企業と比べて年収が100万円ほど多いことがわかります。例えば、冒頭で紹介したSIer企業は、従業員数が約2500人、資本金が4億5000万円の大企業です。

図(NO3/会社概要)

従業員数が多い大手企業は、中小企業と比べて高い年収を提示している可能性が高いです。

大手企業の求人は非公開求人が多い

ここまで6件の求人を紹介しましたが、これらの求人は全て企業名が非公開でした。実は大手企業の求人は、企業名だけでなく、求人自体が非公開になっていることも多いです。

求人が非公開になっているのは、理由があります。それは、「企業の事業戦略が外部に漏れないようにするため」「公開求人にすると応募が殺到して収集がつかなくなるため」などです。

例えば、前の章で紹介したように、大手企業の求人は高年収が提示されていることが多いです。そのため、多くの求職者の目に求人が触れてしまうと、応募が殺到する可能性があります。

そうなると、採用担当者は中途採用者の選定にかなりの時間を割かなければなりません。そのような事態を避けるために求人を非公開にしているのです。

多くの求人を取り扱っている転職サイトのdodaのホームページにも、公開していない求人が多くあることが示されています。

図(非公開求人)

転職エージェントのサービスを利用して、非公開求人を紹介してもらうことで、大手企業への転職は成功させやすくなります。

研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。