転職をするときに、年齢は気になる要素です。私は30歳で転職しましたが、「早く転職しないと採用してもらえなくなる」と感じながら転職活動をしたのを覚えています。

では、インフラエンジニアが転職するときには、年齢はどのように影響するのでしょうか。

実は、年齢によって企業がインフラエンジニアに求めるスキル・経験は異なります。そのため、年齢に応じた戦略で転職活動をしなければ、なかなか内定を勝ち取ることはできません。

ここでは、インフラエンジニアが転職するときに、年齢がどのように影響するのかを具体的な求人例を示しながら解説します。

転職成功者数は20代が最も多い

まず、転職を成功させたインフラエンジニアは、何歳で転職しているのでしょうか。年齢が上がっても転職成功している人はいるのでしょうか。

多くの転職希望者の転職を実現している転職エージェントdodaが、転職成功者の年齢構成を公開しています。その結果が下の図です。

インフラエンジニアは「技術系(IT・通信)」に分類されます。なおこの中には、インフラエンジニアだけでなく、ネットワークエンジニア、webエンジニア、ゲームプログラマーなども含まれます。

この統計では、20代の転職成功者数は、転職者成功者全体のほぼ半分です。つまり、20代が最も転職を成功させやすいと言えます。

実際に転職市場には、20代のインフラエンジニアが応募して採用されやすい求人が多いです。

例えば、次に示すプルデンシャル・システムズ・ジャパン株式会社の求人では、「対象となる方」の欄に、「第二新卒歓迎」と記載されています。

プルデンシャル・システムズ・ジャパン社は、東京都千代田区にオフィスを構える企業です。プルデンシャルグループのITインフラの企画・設計・構築を担っています。

第二新卒は、就職して1年目から3年目の社会人を指します。

例えば、大学卒の場合は23歳〜26歳が第二新卒として扱われます。大学院を修了していても、ほとんどの場合は30歳未満です。

第二新卒は、まだ経験が浅く、技術力も高くありません。そのため、20代のインフラエンジニアの転職では技術力よりも、今後インフラエンジニアとしてどのように成長したいかが問われます。

20代で転職するときには、インフラエンジニアの将来像を明確にして転職活動をすると転職を成功させやすいです。

年齢が上がってもインフラエンジニアとして活躍できる

20代の若手インフラエンジニアが転職を成功させやすいことは、ある程度予想できると思います。

では、30代、40代と年齢を重ねた、経験豊富なインフラエンジニアは転職できるのでしょうか?

前の章で、IT業界の転職成功者の約半数は20代であることを紹介しました。そして、30代、40代の転職成功者数は、年齢が上がるにつれて減少する傾向があります。

しかし、言い換えれば、30代40代でも転職を成功させることはできます。実は、ある程度の年齢を重ねて、経験を積んだ方が応募しやすい求人もあります。

30代40代以上の方が応募しやすい求人もある

30代・40代まで経験を積むと、ITインフラの設計・構築の経験だけではなく、後輩社員の技術指導を任されることもあると思います。

技術指導の経験は、第二新卒の若手エンジニアにはありません。ベテラン社員ならではの経験であり、30代以上ではこの経験がアピールポイントになります。

実際に、若い人材よりも経験豊富な人材の方が応募しやすい求人を1例紹介します。この求人は、神奈川県横浜市に本社があるジャパニアス株式会社のものです。

ジャパニアス社の求人は、応募の必須条件としてインフラエンジニアの業務経験だけでなく、プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)の業務経験または候補者としての業務経験が挙げられています。

ジャパニアス社は、神奈川県の本社以外にも東京、仙台、大阪、広島、福岡などにもオフィスを構えるSIer企業です。

ITインフラの企画・設計・構築・運用は、どの工程も一人のインフラエンジニアだけが任されることはありません。必ずプロジェクトチームで仕事を進めます。

プロジェクトリーダーは若手社員からの技術相談を受けることも多いので、経験豊富な人材が担当します。早ければ20代後半からプロジェクトリーダーを任されることもありますが、多くの場合は30歳以上の経験者が担当します。

そしてプロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体をマネージメントすることが主な仕事内容です。

プロジェクトマネージャーのポジションは、20代のインフラエンジニアが任されることはまずありません。若くても30代、企業によっては40代以上の人材が配置されるようなポジションです。

プロジェクトマネージャーは、自身が手を動かして設計をしたりサーバーを構築したりすることはありません。プロジェクトのスケジュールや人員を管理し、ミッション達成のための指示を出すことがプロジェクトマネージャーの仕事です。

私の知り合いが働いている企業では、5名のインフラエンジニアが会社内の全事業部のITインフラ環境を企画から運用保守までを担当しています。知り合いは、「その部署のマネージャーは40代で、実務で手を動かすことはほとんどなく、運用の費用を管理したり、スケジュールを管理したりしている」と教えてくれました。

以上のように、求人によっては20代よりも30代40代の方が採用されやすい求人もあります。

30歳を超えると転職成功者数は減りますが、採用されやすい求人に絞って応募することで、転職を成功させやすくなります。

幅広い年齢層を対象にしている求人例

インフラエンジニアを募集している求人は転職市場に多いです。そのなかには、若手でもベテランでも採用されやすい求人もあります。

例えば。次に紹介するマンパワーグループ株式会社の求人では、「第二新卒歓迎」と「社会人10年以上」の両方が歓迎条件です。経験が浅い人でも経験豊富な人でも歓迎され、それぞれに応じたプロジェクトを担当することになります。

マンパワーグループ社は、神奈川県横浜市に本社があり、東京、大阪、名古屋など全国にオフィスを構える企業です。

社会人10年以上は、大学を卒業していれば32歳以上です。つまり、30歳以上の求職者も歓迎されています。

そして、このマンパワーグループ社の求人が、幅広い年齢層を対象にしていることを裏付けるのが、提示している年収です。この求人の年収欄を下に示します。

入社時の想定年収は、350万円~1000万円とかなりの幅があります。この提示されている年収を、インフラエンジニアの平均年収と比べてみましょう。

インフラエンジニアを含むシステムエンジニアの平均年収は、厚生労働省が賃金構造基本統計調査として毎年調査・報告しています。システムエンジニアの年齢別の平均年収をグラフ化したものが下の図です。

引用:賃金構造基本統計調査より

20代の平均年収は300万円~400万円です。これは男性も女性もほとんど差はありません。

この平均年収は、マンパワーグループ社が提示している額の最低額とほぼ同じです。

マンパワーグループ社が提示している年収の最高額1000万円は、50代の平均年収も超える額です。20代のインフラエンジニアが簡単にもらえる額ではありません。

つまり、経験豊富で高い技術力があるインフラエンジニアが応募すれば、採用される可能性は十分あると言えます。

このように、提示されている年収に幅がある求人は、若いエンジニアだけでなく経験豊富な年齢層の高いエンジニアも応募し採用される可能性があります。

未経験者が転職するなら30歳まで?

ここまでは、インフラエンジニアの業務経験者が転職するときの年齢について解説しました。

では、インフラエンジニアの未経験者がインフラエンジニアにキャリアチェンジをするときには、年齢は影響するのでしょうか。

次に紹介する株式会社アンリミテッドケアの求人は、未経験者と経験者の両方が応募可能な求人です。

エンジニア経験者は「年齢不問」ですが、業界・業種未経験者は「30歳以下」が条件になっています。

職種を変えて転職をする場合は、キャリア採用と比べて転職の難易度は格段に上がります。なぜなら、職種未経験者を採用するよりも、新卒を採用した方が若い人材を確保できるからです。

実は、求職者を採用するときに、年齢制限は法律で禁止されています。その法律は以下の内容です。

雇用対策法第10条

事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要と認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない

このような法律があるため、基本的には求人での年齢制限はできません。ただし、この法律には例外が複数認められています。そのなかの1つは以下の内容です。

長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

さきほどの未経験者に対する年齢制限は、まさにこの例外に該当します。

私の知り合いでシステムエンジニアとして働いている人に未経験者の転職について質問すると、「未経験者が転職するなら30歳くらいまでだろう。40歳以上になるとまず不可能だと思う」と教えてくれました。

年齢を理由に採用を断ることは法律で禁止されています。しかし、どの企業も少しでも若い人材を採用したいと考えています。

未経験者がインフラエンジニアに転職する場合は、少しでも早く転職活動をしなければなりません。

採用されやすい求人を見つけるための戦略

ここまで、年齢が求人票でどのように扱われているか、求人例を示しながら説明しました。ただし求人によっては、どんなに技術力があっても採用されにくいこともあります。

例えば、20代の今後長く会社に貢献してくれる人材を求めている求人に、40代の人材が応募しても内定を勝ち取ることは難しいです。企業は求人を出す時点で、どの年齢層の人材を採用したいかをある程度考えています。

そのため、求人票を深く読み込み、あなたが応募して採用されやすいかを見極める必要があります。闇雲に応募しても採用されないこともあります。

そこで有効な手段の1つは、転職エージェントのサービスを利用することです。私も転職のときには転職エージェントを利用しました。

転職エージェントに登録すると、あなたに担当者がつきます。担当者はあなたの経歴・年齢を踏まえて求人を紹介してくれるだけでなく、転職のアドバイスをくれます。

私が転職したときは30歳でした。化学メーカーから製薬会社への転職を希望しており、最初にその旨を担当者に伝えました。

すると、担当者から「すぐに転職活動を始めた方がいい」とアドバイスをもらいました。当時の私は「そこまで急いで転職活動をしなくても、いつか希望に合う求人がみつかるだろう」と楽観的に考えていました。

アドバイスをもらってからは、仕事後のヘトヘトの状態で担当者が紹介してくれた求人票を見るようにしました。その結果、無事納得できる条件で転職することができました。

あなたが採用されやすい求人は、闇雲に探してもなかなか見つかりません。納得できる転職を実現するためには、転職活動を戦略的に進める必要があります。

まとめ

ここでは、インフラエンジニアの転職で年齢がどのように影響するのかについて解説しました。

インフラエンジニアの転職成功者で最も多いのは20代です。求人票も第二新卒などの20代を歓迎している求人が多いです。

ただし、すべての求人で20代の求職者が応募して採用を勝ち取れるわけではありません。

技術力だけでなく、技術指導経験やマネージメント経験が求められる求人もあります。そのような求人は、20代ではなく30代・40代のインフラエンジニアの方が採用されやすいです。

求人票での年齢制限は、基本的に禁止されています。そのため、あなたがどの求人に応募すれば採用されやすいかはわかりにくいです。そこで、転職エージェントからあなたに合う求人を紹介してもらうのも効果的な方法です。

インフラエンジニアの転職で年齢ごとに求められるスキル・経験を理解して転職活動をすることで、転職を成功させやすくなります。

研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。