化粧品を手に取るときに、パッケージの印象は購買意欲に対して大きな影響を及ぼします。化粧品メーカーのデザイナーは、消費者にとって魅力的なデザインをすることが仕事です。

実は、化粧品メーカーのデザイナーの仕事は多岐に渡ります。商品のデザインを考えるだけがデザイナーの仕事ではありません。このことを理解していなければ、仕事内容とあなたがやりたいことの間に乖離が生じてしまい、満足できる転職は実現できません。

ここではまず、化粧品メーカーのデザイナーの仕事内容を確認します。その後、化粧品メーカーのデザイナーの働き方、転職するときに求められるスキルや経験を解説します。

化粧品メーカーのデザイン業務を理解する

化粧品メーカーのデザイン業務と聞いたときに、あなたはどのような仕事を思い浮かべますか? 実はデザインと一言でいっても、さまざまな仕事があります。

転職を成功させるためには、デザイナーにどのような仕事があるのかを理解しておく必要があります。

パッケージデザイン

化粧品は必ず何かしらの容器や箱に入っています。商品を購入するときに、最初に目に入るのは箱か容器です。

これらのパッケージをデザインすることがパッケージデザイナーの仕事です。まずはパッケージデザイナーを募集している求人例を紹介します。

この求人は東京都にある化粧品メーカーのものです。この求人で採用されると、コスメ・雑貨などのデザイン作成、入稿、色校正までを任させることになります。

化粧品は、より効果がある成分を含むことで改良品として発売できます。「〇〇効果のある成分含有」と記載されていると、あなたもつい気になって購入してしまうことがあるのではないでしょうか。

例えば、下のクレンジングシートは、保湿目的でビタミンCの誘導体が含まれています。

このような記載を見ると、「ほかの商品と違ってプラスアルファの効果が期待できそう」と感じて、つい商品を手に取ってしまうと思います。

また、購入されるか否かは、含有する成分や製品の品質だけでなく、パッケージによる印象も大きく影響します。

例えば、安そうなパッケージの商品と、高級な印象を受けるパッケージの商品を比べたときに、値段が同じだったらどちらの商品を購入しますか。おそらく、高級そうなパッケージの商品の方が「何となく効果がありそうだ」と感じると思います。

そして、新商品が発売になっても、既製品にわずかな変更を加えただけの商品もあります。この場合、既製品との差はほとんどありません。それにもかかわらず、パッケージを大きく変えることで、消費者が受ける印象を大きく変えることができます。

このように、パッケージデザインが買い物客の購買意欲に及ぼす影響は大きいです。

グラフィックデザイナーとして広告をデザインする

化粧品は新商品が数カ月に1回は発売になります。そして新商品が発売になると、DMや雑誌で宣伝を行います。

下に紹介する求人は、東京都にある通販化粧品・健康食品メーカーのものです。この求人では、グラフィックデザイナーとして広告デザイン業務と撮影ディレクション(撮影の提案から画像の入稿までの仕事)を担当する人材を募集しています。

例えば、シャンプーを購入するときに、広告に外国人が起用されているとあなたはどのような印象を受けますか。ちなみに私は、外国人が起用されていると「かっこいい」「効果がありそうだ」と感じます。

また、日本人が起用される場面でも、どの女性をモデルにするかで、商品の印象は大きく変わります。

商品のコンセプトは、商品開発や商品企画の担当者からデザイナーに伝えられます。そのコンセプトを組み込んだ広告を企画・作成することが広告デザインの仕事です。

Webデザイン

自社製品を紹介するのはDMや雑誌だけではありません。消費者がインターネットから商品を検索し、購入に至ることもあります。

このときに消費者が閲覧するホームページやLP(ランディングページ)をデザインすることもデザイナーの仕事です。これらWeb媒体のデザイナーを募集している求人例を紹介します。

この企業は、東京に本社を構える健康食品・化粧品の通販会社です。下記のように、LPやコーポレートサイトをデザインする人材を募集しています。

LPは消費者がインターネット上から商品を購入するために閲覧するページです。例えば、大手化粧品メーカーの資生堂から発売されている日焼け止めの「ANESSA」は、汗や水によって落ちにくい日焼け止めです。

そして、ANESSAのLPは以下のようなデザインです。背景が海であり、海水浴をしても日焼けを防止できることをアピールしていることがわかります。

引用:アネッサ(ANESSA)ブランドサイトより

商品がリニューアルするたびに、商品の特徴をとらえたLPを作成し、消費者に商品の魅力を伝える必要があります。

また、現在はどこの会社も公式ホームページをもっています。会社の公式ホームページ(コーポレートサイト)をデザインすることもWebデザイナーの仕事の1つです。

デザイナーを担当するときの働き方

化粧品メーカーのデザイナーの仕事が多岐に渡ることが理解できたでしょうか。では、実際にデザイナーとして転職したときには、どの業務を担当することになるのでしょうか。

複数のデザイン業務を担当する

前の章では、デザイナーが担当する領域が幅広いことを紹介しました。実は、単一の業務だけを担当することは稀です。求人例を見ると、複数の業務を掛け持つことが多いです。

実際の求人例を1例紹介します。下に紹介するのは、会社名は非公開ですが、アイメイクブランドとして知られている化粧品メーカーの求人です。この求人の仕事内容の欄では、デザイナー業務全般を担当することが記載されています。

この求人では、最初の章で紹介したデザイナー業務がすべて挙げられています。

商品開発や商品企画の業務と兼任することもある

デザイナーはパッケージ、広告、Web媒体をデザインする専門職です。ただし、会社によっては専門のデザイン以外の業務も担当することがあります。

具体的には以下のような求人が該当します。この求人は、北海道札幌市に本社があり、東京と台湾に支社がある北野達人コーポレーションのものです。この求人では、東京支社で商品開発・企画を担当する人材を募集しています。

また、冒頭で紹介した求人は、デザイナーを募集していますが、商品企画にも挑戦できる求人でした。

このように、会社によってはデザイン業務だけでなく、商品開発や商品企画を兼任することもあります。

求められるスキル・経験

では、化粧品メーカーのデザイナーに転職するときに求められるスキルや経験について紹介します。

IllustratorとPhotoshopの使用経験は必須

デザイナーが作業をするときには、必ずパソコンを使用します。そして、最も利用するソフトウェアはIllustratorとPhotoshopです。そのため、転職の際にはこれらのソフトウェアの使用経験が求められることが多いです。

最初の章で紹介した化粧品メーカーの求人では、以下のようにデザイナーとしての業務経験だけでなく、IllustratorとPhotoshopの使用経験も必須条件に挙げられています。

Webデザイナーはプログラミング言語の基礎知識も求められる

Webデザインで作られたものは、最終的にはコーポレートサイトやLPとしてインターネット上に掲載することになります。このときに、Webページを編集する作業を伴うため、プログラミング言語の基礎知識が求められることがあります。

実際の求人例でも、以下のようにHTML、CSSなどのプログラミング言語の基礎知識が必須条件の1つとして挙げられています。

化粧品業界での業務経験は必須ではない

デザイナーは、化粧品業界以外の業界でも活躍しています。例えば、食品業界では以下のような商品パッケージのデザインを担当します。

化粧品のデザイン業務と同様に、商品の特徴をとらえて、消費者に魅力的と感じてもらうためのデザインを立案します。

このように、デザイナーの業務は化粧品業界以外の業界でも盛んに行われています。そのため、化粧品メーカーのデザイナーの求人では、「化粧品メーカーのデザイナーとしての業務経験」が必須条件として挙げられることはありません。

実際の求人例を確認してみると、以下の求人のように消費財業界におけるデザイン経験が必須要件に挙げられていますが、化粧品業界での業務経験は歓迎要件です。

デザイナーの業務経験が求められない求人例

ここまで紹介してきた求人は、すべてデザイナーの業務経験が求められるものばかりでした。つまり、デザイナーとしての専門職の経験が必須で、ほかの職種や未経験者は応募できないものです。

しかし、求人によってはデザイナーの業務経験が求められないものもあります。

下に紹介する求人は、最初の章で紹介した北の達人コーポレーションの求人です。この求人の「求める経験」の欄には、デザイナー業務の経験は挙げられていません。求められているのは、商品企画・開発の経験です。

なお、この求人で採用されると、デザイナー業務だけを担当するのではなく、商品開発・企画の業務の一環としてデザイン業務を担当することになります。

この求人のように、デザイナー業務以外の業務も兼任するような求人であれば、デザイナーの業務経験がなくても応募することができます。

ただし、このような求人に応募するときには「デザイナーとしてどのように働きたいか」を整理しておく必要があります。

もしあなたがデザイナー業務に専念したいのであれば、このような求人で採用されても仕事内容に満足できない可能性が高いでしょう。ミスマッチを防ぐためにも、求人票に挙げられている仕事内容を十分に確認しなければなりません。

また、求人によっては業務内容がイメージしにくいものもあります。そのような求人の場合は、転職エージェントを通して業務内容の詳細を確認するなどの工夫をすることで、転職の失敗を防ぎやすくなります。

まとめ

ここでは、化粧品メーカーのデザイナー職に転職するときのポイントについて解説しました。

化粧品メーカーのデザイナーの仕事は多岐に渡ります。パッケージのデザインだけでなく、広告やホームページ、ランディングページのデザインも担当することがあることを認識しておく必要があります。また、求人によっては商品開発や商品企画の仕事と兼任することもあります。

デザイン業務ではIllustratorとPhotoshopを使用することが多いので、これらのソフトウェアの使用経験は必須と考えてください。また、Webデザイナーの求人ではプログラミング言語の知識が求められることもあります。

商品企画や商品開発とデザイナー業務を兼任する求人では、デザイナー業務の経験が求められることはありません。ただし、このような求人に応募するときには、あなたがデザイナーとしてどのように働きたいかを十分に整理しておく必要があります。

これらの求人の特徴を理解して転職活動をすることで、ミスマッチを防ぎやすくなります。

研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。