webエンジニアは、男性が多く活躍している職種です。ところが、IT業界全体としてエンジニアが不足しており、男性女性関係なく人材の需要はあります。
実際に未経験からwebエンジニアに転職し、活躍している女性はいます。では、転職するときに押さえておくべきポイントはあるのでしょうか。
ここでは、女性が未経験からwebエンジニアに転職するときに知っておくべき内容について解説します。
まずは、webエンジニアの仕事内容について紹介します。続いて、「女性のwebエンジニアが多いのか」「求人票から女性が採用されやすい企業を見つけるポイント」について順に解説します。
もくじ
webエンジニアの仕事内容
まずはあなたが目指しているwebエンジニアが、どのような仕事を担当するのかを確認しましょう。
webエンジニアは、webブラウザで動くアプリケーション(webアプリケーション)を設計・開発・運用することが仕事です。
あなたは、新しく服を買うためにオンラインストアを利用したことはありますか? 下の写真のようなオンラインストアもwebブラウザで動くアプリケーションの1つです。
引用:GAP Japan Official Online Storeより
そして、webエンジニアの仕事は大きく以下の3つに分かれます。
- 設計:webアプリケーションの設計図(仕様書と呼ばれる)を作成する
- 開発:プログラミングを行い、webアプリケーションを作成する
- 運用:バグの修正やトラブル対応
webアプリケーションは、1つのページだけでなく、ボタンをクリックすることでほかのページに移動する複数ページのものがほとんどです。
例えば、YAHOO! JAPANのトップページは以下のような画面です。ここからオークションに参加しようと思えば「ヤフオク!」のボタンを押すことで、オークションの画面に移動できます。
引用:Yahoo! JAPANより
このような画面のレイアウトや、ボタンをクリックしたときの移動先のページを設定して、webアプリケーションの全体像を決めることも設計業務に含まれます。
なお、開発の業務はプログラマーが担当することも多いです。どこまでの範囲をwebエンジニアが担当するかは、企業によって異なります。
このように、webエンジニアはwebアプリケーション開発の上流工程から下流の工程までを担当します。
女性のwebエンジニアは多いのか
webエンジニアと聞くと、男性が多いというイメージを持っているのではないでしょうか。「アプリケーション開発」「プログラミング」という言葉を聞くと、webエンジニアは「理系出身者」「工学部出身」というイメージを持っている人もいると思います。
実は、webエンジニアを含むシステムエンジニアは、女性も活躍しています。決して男性ばかりではありません。厚生労働省の調査では、以下のようにシステムエンジニアの約2割は女性です。
引用:令和元年賃金構造基本統計調査 職種別第3表をグラフ化
私の知り合いにも、学生時代は文系学部でしたが、就職活動でシステムエンジニアとして就職した人がいます。話を訊くと、「やってみたかったから」という理由でシステムエンジニアに就職したと教えてくれました。
もちろん彼女は完全な未経験者として働き始めましたが、実際に働き始めた後も、研修を受けて、立派なエンジニアになっています。「仕事が楽しい」と話していたことが印象的でした。
そして、webエンジニアは論理的な思考を求められる場面が多いです。論理的な思考とは、webエンジニアに限らず求められるスキルです。
例えば、仕事をするときに「なぜその仕事をするのか」筋道を立てて考えるスキルも論理的思考の1つです。あなたが日頃からそのような考え方を意識できていれば、文系出身でも理系出身でもwebエンジニアに転職しても心配ないです。webエンジニアとして働くために、理系出身か文系出身かは関係ありません。
このように、未経験の女性であっても問題なくwebエンジニアとして働き、活躍することができます。
性別による採用のされやすさに差はない
男性に比べて女性のwebエンジニアの数は少ないです。では、性別の違いによる採用のされやすさに違いはあるのでしょうか。
まず前提としてあるのは、男性と女性で採用に差をつけてはいけないことが法律で定められています。そのため、「男性限定」で募集をかけることはできません。
逆に、「女性限定」で募集をして、女性を積極的に採用することもできません。
大手の転職サイトで「webエンジニア 未経験 女」で検索をしても、ヒットする求人は1件だけでした。
これは、未経験の女性が応募できる求人が1件しかないわけではありません。性別についての記載がないだけで、未経験者が応募できる求人には、男性女性関係なく応募できます。
実際に仕事を始めても、女性であることが不利に働くことはありません。
webエンジニアは、多くの時間をデスクワークで過ごすことになります。そのため、肉体的な体力が求められる職種ではありません。力仕事もありません。
このように、女性であっても問題なく採用され、仕事ができることを覚えておきましょう。
性別による年収の違いはあるのか
採用のされやすさに性別の影響がないことを説明しました。では、年収に差はあるのでしょうか。
webエンジニアを含むシステムエンジニアの年収は、さきほども紹介した賃金構造基本統計調査として厚生労働省が毎年公開しています。
賃金構造基本統計調査の結果をグラフ化したものが下の図です。調査結果によると、29歳までは男性と女性で年収に差はほとんどありません。その一方で、30代を超えると、男性の方が女性よりもやや年収が高いことがわかります。
引用:令和元年賃金構造基本統計調査 職種別第3表をグラフ化
この結果を見ると、女性のシステムエンジニアは男性よりも低い年収しかもらえないと考えられます。
しかし、この傾向はシステムエンジニアに限ったものではありません。ほかの職種でも同様の傾向が見られます。
これは、性別による影響ではなく、出産・育児により休職・退職期間が生じてしまうことが影響していると考えられます。
実際に前の章で紹介したゼネレイション社の求人でも、採用時点では男性・女性どちらであっても同じ額の給料をもらうことができます。
前の章で、性別による採用に差をつけてはいけないことを紹介しました。そして、採用と同様に、年収も差をつけてはいけません。
基本的には、女性エンジニアも男性のエンジニアと同じ額の給料をもらうことができることを覚えておきましょう。
求人票から採用されやすい企業を見抜く方法
女性でもwebエンジニアに転職できるといっても、必ずしもどこの企業でも採用されるわけではありません。もし、男性しかいない職場であれば、転職しても働きにくさを感じるかもしれません。
求人票によっては、女性のwebエンジニアが活躍していることが紹介されているものもあります。
次に紹介するアンツ株式会社の求人では、「女性も活躍中!」と冒頭に紹介されています。
アンツ社は、東京都品川区にオフィスがある、webサービスだけでなく、コンピュータシステムの設計・開発も手掛けている企業です。
また、続いて紹介する株式会社カカクコムの求人は、女性エンジニアの比率と、子育て世代のエンジニアも活躍していることが紹介されています。
カカクコム社は、東京都渋谷区にオフィスがある「価格.com」「食べログ」などのwebサイトを企画運用している企業です。
このように求人票に女性のwebエンジニアに関する記述がある企業は、女性が応募しても採用されやすいと考えられます。
そして、女性が働くときには、出産・育児に関わる制度の充実度も気になるポイントです。
カカクコム社では、以下のように産前産後・育児に関するさまざまな制度が整備されています。
このような制度は、多くの企業で導入されています。webエンジニアとして長くためには、このような制度が整備されているか確認をしておくことも重要になります。
仕事と家庭の両立をするためにも、求人票をしっかりと読み込んで、女性が働きやすい環境が整備されているかを確認するようにしましょう。私が働いている職場は、女性が比較的多いです。そのため、子供が熱を出した時などは、有給の取得がしやすい雰囲気があります。
webエンジニアは、技術力さえあれば、性別に関係なく開発の最前線で長年働き続けることができます。転職後に後悔しないためにも、事前の確認作業を怠らないようにしましょう。
まとめ
ここでは、未経験の女性がwebエンジニアに転職するときに押さえておくべきポイントを解説しました。
webエンジニアは、webブラウザ上で動くアプリケーションを設計・開発・運用する職種です。あなたが日常生活で閲覧しているwebサイトも、webアプリケーションの1つです。
webエンジニアは、男性女性関係なく活躍できる職種です。男性の比率の方が多いですが、女性でも技術力を磨けば十分活躍できます。性別による採用のされやすさや年収に違いはありません。
求人票によっては、女性従業員が働いていることや、女性が働きやすい環境を整えていることを謳っているものもあります。転職後に後悔しないよう、できるだけ情報収集を行うようにしましょう。
このようなポイントを押さえて転職活動をすることで、納得のできる転職を実現することができます。
研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。
一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。
これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。