英語力があれば、仕事の選択肢が広がります。特に海外の企業や外国人のシステムエンジニアと仕事をするときに、英語力を活かすことができます。

では、そのような仕事を担当するためには、どのような求人を探せばよいのでしょうか。

闇雲に求人を探しても、満足できる転職が実現できる可能性は低いです。あなたのスキルを活かせる求人・企業を見つける方法を考える必要があります。

ここでは、システムエンジニアが英語力を活かして転職するときの求人の探し方を解説します。

高い英語力があれば、転職の選択肢が広がる

システムエンジニアとして働くときに、英語に触れる場面は日常的にあります。これは、英語が得意な人であっても苦手な人であってもです。

例えば、システム開発で使用するソフトウェアが海外で作られている場合は、マニュアルが英語で書かれています。エラーメッセージも英語で表示されるので、英語を解読しなければなりません。

「英語で書かれたマニュアルが解読できること」や「ソフトウェアの英語のメッセージが読めること」は、システムエンジニアにとっては普通のスキルです。これらができても、「英語力があります」とアピールできません。

英語力が求められる仕事は、海外の企業や開発者とやり取りです。ここから、実際の求人例を紹介しながら、英語力を活かせる企業や具体的な働き方を解説します。

海外の技術を導入している企業

最初に紹介するのは、海外企業が開発した技術を利用してシステム開発をしている企業です。

紹介する求人は、SCSK株式会社から出されているものです。SCSK社は、東京都に本社がある住友商事グループのシステムインテグレーターです。

この求人では、VOD(ビデオ・オン・デマンド)と仮想化技術のサポートエンジニアとして働く人材を募集しています。

図(NO4/仕事内容)

SCSK社は、海外における新技術や事業の導入を積極的に行っており、海外ベンダーとのやり取りが発生すると思われます。

海外企業が開発した技術を自社製品に導入するときには、海外企業の担当者から技術内容の説明を受けます。

私の知り合いで、大手電機メーカーでシステムエンジニアとして働いている人がいます。彼は、海外ベンダーが開発したチップセットを用いてスマートフォンの開発や機能改善を担当しています。

図(写真/スマホ)

海外ベンダーとの英語のやり取りについて以下の話を教えてくれました。

スマートフォン用のチップセットは海外ベンダーが開発している。チップセットが改良されたときには、改善点をまとめた英語の資料を読み込まなければならない。

不明点があったら海外ベンダーに問い合わせる。問い合わせフォームには、質問内容を英語で入力し、回答も英語で返ってくる。

また、海外ベンダーの担当者がオンラインで説明会を実施してくれる。そのときは、パワーポイントのスライドを画面共有で見せて説明してくれる。

私はそこまで英語ができるわけではないので、正直説明されている内容は半分くらいしかわからない。スライドに書かれている内容を読んで、内容を理解するようにしている。

(問い合わせフォームのスクリーンショット)

このように海外企業の技術や事業を導入したり活用したりしている企業では、英語力を活かすことができます。

SCSK社の応募条件は以下の通りです。英語の読み書きがスキルとしてTOEICで700点以上が条件として挙げられています。

図(NO4/対象となる方)

明確な基準があるわけではありませんが、TOEICで700点以上あれば、英語を使った仕事もある程度対応できるレベルとみなされます。

このように、海外企業から技術を導入している企業で働くときには、英語力が求められます。

海外企業と協同で仕事をする企業

続いて紹介するのは、海外企業と協同で仕事をする企業です。これは、日本国内のシステムエンジニアと海外企業のシステムエンジニアが協力してシステム開発を行う場合です。ここでは求人を2件紹介します。

1件目の求人は、大手電気通信事業者のKDDI株式会社から出されているものです。この求人では、ネットワークシステムの開発に従事するシステムエンジニアを募集しています。

図(NO5/仕事内容)

この求人では、英文の技術仕様書を読むことがあるため、ビジネスレベルの英語力が求められています。実際にKDDI社の応募条件には、英文の技術仕様書を読むことができるレベルの英語力が挙げられています。

図(NO5/対象となる方)

日本国内の企業同士でシステム開発をするときには、技術仕様書は日本語で書かれます。

英語の技術仕様書は、海外企業から仕事を受注するときに目を通すことになります。具体的な処理の内容が記載されている技術仕様書を読み込むためには、高い英語力が必要です。

海外企業と協同で仕事をするもう1つの例は、外資系企業の求人です。外資系企業では、海外拠点のシステムエンジニアと共同でシステム開発を行うときに英語力を活かすことができます。

具体的には、下に紹介するボッシュ株式会社の求人が該当します。この求人では、神奈川県横浜市の事業所で働く自動車の自動運転のソフトウェア開発エンジニアを募集しています。

図(NO6/仕事内容)

ボッシュ社は、主に自動車業界で幅広いソリューションやサービスを提供している外資系企業です。

そして、この求人の応募条件は以下の通りです。ディスカッションできるレベルの英語力が必須条件に挙げられています。

図(NO6/対象となる方)

ボッシュ社は、日本国内だけでなく、海外にも開発拠点があります。具体的には、ドイツ、アメリカ、インド、中国などです。

このような海外の開発拠点と協同でソリューションや製品を開発するときには、英語での議論が必要です。

海外企業に仕事を発注する企業

最後に紹介するのは、海外に仕事を発注するケースです。具体的な求人例は、下に示す住友電工グループの住友電工情報システム株式会社から出されている求人です。

図(NO8/仕事内容)

このプロジェクトでは、下流工程は国内だけでなく、海外の会社にも下流工程を委託しています。

海外企業に仕事を委託するときには、メール、オンライン会議などで、やり取りをしなければなりません。

図(イメージ図/海外とのやり取り)

なお、この求人では、応募条件に英語力に関する記載はありません。しかし、担当する仕事内容からは、英語を使う場面が想定されます。

図(NO8/対象となる方)

コーディングを海外企業に委託している私の友人に話を訊くと、以下の話を教えてくれました。

下流工程を海外企業に依頼するときには、主にメールでやり取りをする。一部日本語がわかる人も海外の会社にいるが、基本的には英語でやり取りしないといけない。そのときに渡す仕様書は、英語で作成しないといけない。

仕事を委託した後は、納品されたものを確認して、こちらから問い合わせを出す。不具合を見つけて、「〇〇を修正してください」「△△が原因と思われるので、調査して修正してください」というメールを英語で送る。

プロジェクトによっては、オンラインでミーティングをしたり、頻度は多くないが現地に訪問してミーティングをしたりしている。

このような仕事を担当するときには、英語力を活かすことができます。

英語力を活かせる求人をピンポイントで見つける方法

ここまで紹介した求人はすべて、転職サイトで紹介されている求人でした。転職サイトには多くの求人が公開されており、キーワードを入力するだけで、簡単に求人を検索できます。

実は、転職サイトで英語力を活かせる求人・企業を探すことは容易ではありません。

転職サイトにシステムエンジニアを募集している求人は、以下のように大量にあります。この検索は、10万件を超える求人を取り扱っている、大手転職サイトのdodaで行ったものです。

図(doda/検索結果/「システムエンジニア」)

転職サイトには、あなたの希望条件を設定して、求人をしぼる機能があります。dodaにも、「英語を活かす」にチェックを入れると、英語力を活かせる求人だけが表示されるようになります。

さきほどの3000件を超える求人に「英語力を活かす」を設定した結果が、下の図です。

図(doda/検索結果/「システムエンジニア」/「英語を活かす」)

では、英語力を活かせる求人が10件以下しかないかというと、そんなことはありません。実際に前の章で紹介した求人には、3000件以上の求人のなかから1件ずつ探して見つけた求人も含まれます。

3000件を超える求人から手作業で求人を探すのは、かなり非効率的です。あなたの英語力を活かせる求人を見つける最も効率的な方法は、転職エージェントに非公開求人を紹介してもらうことです。

転職エージェントは、求職者の希望をヒアリングし、求職者の希望に沿った求人を紹介してくれます。

英語力を活かした転職で高年収を勝ち取れる?

最後に英語力を活かして転職したときに、どのくらいの年収をもらうことができるのかについて解説します。

冒頭に紹介したSCSK社の求人では、以下のように500万円~900万円が提示されていました。

図(NO4/年収)

ここまで4件の求人を紹介しました。すべての求人で提示されている年収をまとめたものが、下の表です。

企業名 提示年収

(万円)

SCSK(株)NO4 500~900
KDDI(株)NO5 550~
ボッシュ(株)NO6 500~800
住友電工情報システム(株)NO8 429~749

では、これらの年収は高いのでしょうか。

システムエンジニアの年収は、厚生労働省が毎年実施している賃金構造基本統計調査で公開されています。その調査結果をまとめたものが、下のグラフです。

図(賃金構造基本統計調査/SE)

求人で提示されていた年収には幅がありました。年齢にもよりますが、ここまで紹介した求人で提示されている年収が、必ずしも高年収とは限りません。

英語力があれば、会社の中でも英語力が必要なプロジェクトを担当できます。英語ができない人に比べて、仕事の選択肢が多いことになります。

まとめ

ここでは、システムエンジニアが英語力を活かして転職するときの求人の探し方について説明しました。

英語力を活かせるのは、海外企業と関わる企業・求人です。具体的には、以下の3つの仕事に携われる求人を探さなければなりません。

  • 海外技術を導入している
  • 海外企業と協同で仕事をしている
  • 海外企業に仕事を発注している

あなたの希望する働き方ができる求人を、転職エージェントから紹介してもらうことも、効率的に満足できる転職を実現させるための方法です。


研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。

一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。

ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。

これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。