「ものづくり」をしたい!
ものづくりを事業としているメーカーには多くのシステムエンジニアが在籍し活躍しています。
同じメーカーで働くシステムエンジニアでも、扱う製品や対象物が異なると、仕事内容や働き方が大きく変わります。
ここでは、メーカーのシステムエンジニアに転職するときの考え方について解説します。
もくじ
メーカーで働くシステムエンジニアの仕事内容
まずは、メーカーで働くシステムエンジニアが担当する仕事内容を確認しましょう。
販売する製品の開発
メーカーは、何かしらの製品を研究開発、製造販売している会社です。製品に搭載されているシステムを開発するのが、メーカーで働くシステムエンジニアの仕事内容です。「メーカーで働くシステムエンジニア」と聞いて、最初にイメージする仕事ではないでしょうか。
例えば、下に紹介する日本電気株式会社(NEC)は、大手電機メーカーです。ここに示す求人では、ヘルスケア・医療機器の製品開発を担当するシステムエンジニアを募集しています。
図(NO11/仕事内容)
NECの製品と聞くと、下の写真のようなパソコンやパソコン関連機器をイメージする人が多いのではないでしょうか。NECでは、これらの技術を活かしてヘルスケア領域の製品開発も行っています。
図(写真/パソコン/NEC)
NECのヘルスケア領域の製品で代表的なものは、電子カルテです。あなたは病院に行ったときに、下の写真のように医師がパソコンの画面に向かって診断内容や患者の情報を入力しているのを見たことがあると思います。このときに利用しているのが電子カルテです。
図(写真/電子カルテ)
私たちの身の回りには、メーカーが開発・販売している製品がいくらでもあります。
私の友人でメーカーのシステムエンジニアとして働いている人はたくさんいますが、彼らの仕事内容の一部は以下の通りです。いずれもあなたが日常的に使用している製品だと思います。
- カメラのシステム開発(電子機器メーカー勤務)
- スマートフォンのシステム開発(電機メーカー勤務)
- 自動車のシステム開発(自動車メーカー勤務)
- プリンタのシステム開発(電機メーカー勤務)
このようなメーカーが開発する製品に搭載されているシステムを開発するのが、メーカーで働くシステムエンジニアの仕事内容です。
社内の業務システムを開発・管理するシステムエンジニア
メーカーのシステムエンジニアが開発を担当するのは、製造販売する製品だけではありません。続いて紹介するのは、事業のために必要なシステムを企画・開発するシステムエンジニアです。
次に紹介する求人は、京都府に本社を置く大手電子部品・電気機器メーカーの京セラ株式会社から出されているものです。この求人では、各本部の生産管理システムの共通化、統一プラットフォーム化を担当するシステムエンジニアを募集しています。
図(NO7/仕事内容)
生産管理システムは、生産日程、作業計画、実績管理、ロット管理などを一括管理できるシステムです。
京セラ社は、自社開発した生産管理システムを他社に導入・販売しているわけではありません。自社の生産性向上のために自社内で活用します。
工場の産業機器・計装機器のシステム開発は外部企業に委託している
メーカーの製品は、職人の手で一つ一つ作られているわけではありません。ほとんどの製品は、工場で機械が製造しています。
例えば写真は、食品メーカーの工場の生産ラインです。
図(写真/食品工場)
このような製品を作るための機械を制御するシステムの開発は、自社で行うことはありません。外部企業に委託します。
メーカーで募集されるシステムエンジニア求人の特徴を理解する
では、メーカーのシステムエンジニアに転職するときには、どのような経験を活かすことができるのでしょうか。
あなたの経験が全く活かせない求人に応募しても、採用される可能性は低いです。
扱う製品の種類が変わっても、身につけた技術を活かせる
転職で開発対象の製品が変わることは普通です。
冒頭で紹介してNEC社の求人の応募条件は、以下の通りです。
図(NO11/対象となる方)
OSとプログラミング言語の種類が必須条件に挙げられていますが、この求人で担当するヘルスケア・医療機器の開発経験は歓迎条件です。
製品開発を担当する求人は英語力が求められることが多い
製品の開発をすべて自社内だけで完結することはありません。海外に拠点がある企業と協同で研究開発を行ったり、業務の一部を外部の企業に委託したりすることは一般的です。
その委託先が日本国内だけでなく、海外の企業であることも珍しくありません。そのような場合は英語を用いて海外の担当者とやり取りをする必要があります。
例えば、次に紹介する株式会社トプコンは、眼科領域の医療機器に特化したメーカーです。トプコン社の求人では、システム開発や画像処理の経験だけでなく、中級レベルの英語力も必須の条件として挙げられています。
図(NO4/対象となる方)
トプコン社は、日本国内だけでなく欧米に開発拠点を構えています。これらの拠点と連携しながら開発を進めていきます。
また、システム開発の一部を、人件費の安い途上国のプログラマーに業務委託することもあります。スマートフォンのシステム開発を担当している私の友人も、東南アジアの担当者と英語でやりとりをしていると教えてくれました。
このように、製品開発を担当するときには、海外企業と連携をすることが多いので、求人で英語力が求められることが多いです。
企業規模による仕事の違い
まとめ
ここでは、メーカーで働くシステムエンジニアに転職するときのポイントについて解説しました。
研究職や開発職で転職するとき、求人を探すときにほとんどの人は転職サイトを活用します。転職サイトを利用しないで自力で求人を探すと、希望の条件の求人を探す作業だけでなく、細かい労働条件や年収の交渉もすべて自分でやらなければなりません。
一方で転職サイトに登録して、転職エージェントから求人を紹介してもらうと、非公開求人に出会うことができます。また、労働条件や年収の交渉もあなたの代わりに行ってくれます。
ただし、転職サイトによって特徴が異なります。例えば「取り扱っている求人が全国各地か、関東・関西だけか」「事前の面談場所は全国各地か、電話対応だけか」「40代以上でも利用できるか、30代までしか利用できないか」などの違いがあります。
これらを理解したうえで転職サイトを活用するようにしましょう。そこで、以下のページで転職サイトの特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを認識して活用することで、転職での失敗を防ぐことができます。