研究職や開発職への転職を考えるときに、ほとんどの人は転職エージェントの転職支援サービスを利用します。そのようななか、マイナビエージェントは多くの転職希望者の転職を支援してきた実績がある転職エージェントです。

私も30代で転職活動をしたときにマイナビエージェントを活用しており、転職活動全体でさまざまな相談に乗ってもらい、アドバイスをもらったことを覚えています。

しかし、すべての求職者が利用できるわけではなく、利用するときには特徴を把握しておく必要があります。

ここでは、マイナビエージェントの評判、口コミや特徴について、私が登録して利用したときの実体験も含めて紹介します。

マイナビエージェントを利用するメリットとデメリット

マイナビエージェントは、大手人材広告企業である株式会社マイナビが運営する転職エージェントです。株式会社マイナビの名前は、ほとんどの人が知っていると思います。

マイナビエージェントと名称が類似しているサービスにマイナビ転職があります。マイナビエージェントとマイナビ転職の主な違いは以下の通りです。

マイナビエージェント マイナビ転職
求人との出会い方 キャリアアドバイザーが適切な求人を紹介してくれる 自分で検索する
求人の種類 公開求人と非公開求人 公開求人のみ
求人への応募や交渉の手続き すべてキャリアアドバイザーが代行してくれる すべて自分で行う

マイナビ転職では、基本的にはすべての作業・手続きを求職者自身が行わなければなりません。表現を変えれば、自分のペースで転職活動を進めることができるとも考えることができます。

その一方で、マイナビエージェントはほとんどの作業や手続きをキャリアアドバイザーが代行してくれます。また、あとで詳細について説明をしますが、マイナビエージェントを活用すると非公開求人を紹介してもらうことができ、条件面で優れた求人に出会いやすいです。

20代・30代の転職支援に力を入れている

マイナビエージェントのサービスを受けることができるのは、基本的に20代と30代です。マイナビエージェントのホームページにも、20代・30代に向けた転職情報が掲載されています。

大手転職サイトのdodaを運営するパーソルキャリア株式会社の調査では、下図のように転職成功者の80%以上は20代または30代です。私も30代で転職しました。

引用:転職成功者の年齢調査(2018年下半期)の円グラフ化

つまり、ほとんどの人が20代か30代で転職を成功させており、転職を成功させやすい年代の求職者のほとんどがマイナビエージェントを利用できます。

その一方で、40代以上では登録をしようとしても断られることもあります。例えば、40代で年収アップと同時に管理職への転職を希望する場合などは、希望に沿った求人を紹介してもらえない可能性があります。

マイナビエージェントは、すべての年齢層の求職者に対してサービスを提供しているわけではないことを把握しておく必要があります。

幅広い業界・業種の求人を取り扱っている

マイナビエージェントはさまざまな業界の求人を取り扱っています。その一部を以下に示しますが、IT、通信業界、メーカー、製造業などは研究職、開発職が活躍できる業界ですが、ほかにも幅広い業界の求人を取り扱っていることがわかります。

また、求人の職種も下の図のようにエンジニア、プロセス開発、製品開発、半導体設計、生産技術など幅広く、研究職・開発職への転職を考えている人が活用すべき転職エージェントの1つです。

私は、化学メーカーで研究職として働いているときに転職活動をしました。同業の化学メーカーだけでなく、薬学部出身だったこともあり製薬業界や、プログラミングに興味があったのでプログラマーへの転職についても相談しました。

マイナビエージェントでは多くの業界、職種への転職を支援しており、20代、30代で転職を考えている人はマイナビエージェントを利用して間違いはないでしょう。

取り扱っている求人は一都三県と関西エリア

マイナビエージェントは大手の株式会社マイナビが運営しているので、全国各地の求人を取り扱っていると思っている人もいるでしょう。実は、マイナビエージェントが取り扱っている求人は、一都三県(東京、神奈川、埼玉、千葉)と関西(大阪、京都、神戸)がほとんどです。

マイナビエージェントが取り扱っている求人をエリアごとにまとめたものが下のグラフです。ほとんどの求人が関東と関西に集中しており、そのほかの地域の求人は極端に少ないことがわかります。

関東・関西以外への転職を希望している人は、マイナビエージェントは適していません。ほかの転職エージェントを利用した方が、満足できる転職を成功させられるでしょう。

ただし、マイナビエージェントの取り扱う求人のエリアが、デメリットになることは少ないです。

私は転職活動のときに、全国各地の求人を取り扱っている転職エージェントも利用しました。私は地元が岡山県なので、できれば岡山県で転職できればと考えていました。そして、製薬業界の研究職を第一志望にして求人の紹介を依頼しましたが、担当のアドバイザーに以下のように言われたことを覚えています。

あなたが住んでいる岡山県には、そもそも製薬会社の研究拠点がないので、希望の求人が見つかる可能性はかなり低い。勤務地は東京か大阪になることがほとんどで、神奈川県も選択肢に入れてもらえれば紹介できる求人が増える。

実際に私がマイナビエージェントを利用したときに紹介してもらった求人の一部を下に紹介します。この求人は、勤務地が大阪府の研究職の求人でした。

このように、研究職と開発職の求人は、ほとんどが関東エリアと関西エリアに集中しています。そのため、マイナビエージェントの取り扱う求人のエリアが問題になることは少ないでしょう。

夜間や土曜日も相談に乗ってくれる

転職エージェントとのやり取りは、現職で働いている場合は仕事が終わって帰宅後に行うことが多いと思います。特に研究職や開発職はカレンダー通りの勤務であることが多く、平日の夜に担当者とメールや電話のやり取りをすると思います。

そのようななか、マイナビエージェントは比較的遅い時間でも電話対応してくれます。私を担当してくれた方はかなり融通をきかせてくれました。平日は22時まで電話OKで、土曜日だけでなく、週によっては日曜日でも電話で転職の相談に乗ってくれました。

私は化学メーカーの研究開発職で働いていたときは、毎月の残業時間が平均して60時間ほどありました。定時に退社できるのは報告会がある金曜日くらいで、それ以外の日は夜遅くまで残業をしていました。そのため、帰宅後に転職エージェントとのやり取りをする気力は残っていませんでした。

転職では募集の枠が1人や2人であることがほとんどです。私が紹介してもらった求人は、以下のように欠員補充のための募集であり、募集人数は2人でした。

転職は新卒の就職活動と違って、基本的には早い者勝ちです。ほかの人が採用されてしまうとエントリーすらできなくなってしまいます。そのため、1日でも早くエントリーをしなければ、求人がなくなってしまう可能性があります。

平日の夜や土曜日も対応してくれるマイナビエージェントは、平日の仕事が忙しい人にとっては助けになってくれます。

マイナビエージェントの使い方・流れ

では、実際にマイナビエージェントの転職支援サービスを受けるためにはどうすればよいのでしょうか。続いて、マイナビエージェントへの登録方法と使い方の流れを紹介します。

1.公式サイトから登録を行う

マイナビエージェントから求人の紹介を受けるためには、まず公式サイトから登録を行う必要があります。登録のときには、20項目ほどの質問に答える必要があります。ほとんどの質問は以下のような選択形式で、クリックで答えていくだけでよいです。

すべての質問に答え終わると登録が完了し、そこから5営業日以内に担当者から電話がきます。私の場合は、土曜日の夕方登録して、月曜日の朝一には電話がありました。この電話でキャリアカウンセリングの日程調整を行います。

2.キャリアカウンセリングを受ける

キャリアカウンセリングは、マイナビエージェントのオフィスで1対1形式の面談です。なお、マイナビエージェントのオフィスは東京(新宿、京橋)、神奈川(横浜)、北海道(札幌)、愛知(名古屋)、大阪、福岡にあります。これらの拠点の近くに住んでいればオフィスでの面談を受けることができます。

オフィスの近くに住んでいない人は、電話でのキャリアカウンセリングにも対応してくれます。私は地方都市に住んでいるときにマイナビエージェントに登録したので、キャリアカウンセリングは電話でした。

私は個人的に、対面形式のキャリアカウンセリングの方が転職に対する考えや希望を伝えやすいと思っていたので、電話でのキャリアカウンセリングに少し不安がありました。しかし、実際は電話でのキャリアカウンセリングでも全く不満を感じることはなく、アドバイザーの方が丁寧に対応してくれました。

キャリアカウンセリングでは、登録の際に入力した内容の確認と、補足情報の確認をされます。具体的には、なぜ転職しようと考えたのか、なぜ人材紹介会社に登録したのかなどです。

私を担当してくださった方は対応がとても丁寧な方でした。グイグイ質問をしてくるわけでもなく、「答えにくい質問があれば遠慮なく言ってください」というスタンスで接してくれたので、転職の理由や希望条件を素直に伝えることができました。

私は転職エージェントに登録した時点では、「絶対にこの職種に転職したい」という希望もなく、「薬学部出身で有機合成の知識を活かして転職したいから、製薬会社の研究職がいいかな」くらいにしか考えていませんでした。そのような私に対してもキャリアアドバイザーの方は、学生時代も含むこれまでの私の経験・経歴を活かしてどのような職種が転職の選択肢になるかをいくつも提案してくれました。

また、それらについて勤務地も含めて提案してくれて、私がどの職種、どこで働きたいと思っているかを深く考えるための時間を設けてくれました。おかげで、私のなかでぼんやりとしか考えていなかった転職に対するイメージが具体的になり、転職活動を進めやすくなりました。

なお、キャリアカウンセリングの電話は朝の9時半から、担当者によっては夜の10時くらいまで対応してくれます。夜遅くまで働いている人にとってはありがたいサービスです。

3.電話かメールで求人を紹介してもらう

希望の条件を伝え終わると、あなたの担当者が求人を探して紹介してくれます。

マイナビエージェントにはほかの転職エージェントで開設されるようなマイページはなく、電話やメールでの紹介になります。私が求人を紹介してもらったときも、最初は電話がありました。仕事内容、勤務地などの条件を教えてもらい、その後以下のようなメールで求人票を送ってもらい、詳細の条件を確認しました。

私が紹介してもらった求人の一部は以下の通りです。この求人は製薬会社で医薬品の研究開発担当者を募集しているものです。仕事内容が具体的に記載されていることがわかります。

しかし求人票によっては、仕事内容が簡単にしか記載されておらず、転職後の仕事内容がイメージしにくいものもあります。そのような場合は、企業に問い合わせてもらい、より具体的な仕事内容を教えてもらうとよいです。

求人が気に入ってエントリーを決意すれば、担当者にその旨をメールで伝えれば大丈夫です。私も以下のようなメールを送り、エントリーの手続きをしてもらいました。

エントリーで必要な手続きはすべてキャリアアドバイザーが代行してくれます。あなたはエントリーを決めると、企業研究や面接対策などに注力すればよいです。

4.職務経歴書の添削や面接の対策を受ける

エントリーしたい求人が決まると、職務経歴書の添削サービスを受けることができます。特に初めて転職をする人は、職務経歴書の作成をしたことがないと思うので、このサービスは大変役に立ちます。

私もマイナビエージェントを利用したときは初めての転職だったので、そもそも職務経歴書が何かもわかっていませんでした。担当者の言われるがままに作成したのを覚えています。

添削のときは電話で、具体的にどの部分をどのように修正すればよいかを口頭でアドバイスしてくれました。

そして書類選考を通過すると、次は面接の対策をしなければなりません。面接を受けるときに何の対策もしない人はいないでしょう。

しかし、転職での面接経験が多い人はほとんどいないので、どのように対策をすればよいか分からない人も多いのではないでしょうか。マイナビエージェントのキャリアアドバイザーは、面接対策のアドバイスも実施してくれます。

また、マイナビエージェントのホームページでは、年代別や転職回数別に役立つ情報を提供してくれています。下に示しているのは、20代の求職者向けの情報が掲載されているページです。

参考になる情報が多くあるので、転職活動中に確認してみるとよいです。

マイナビエージェントを活用して転職を成功させるための秘訣

マイナビエージェントに登録して転職支援サービスを受けると、非公開求人を紹介してもらえるようになります。非公開求人にはあなたが満足できるような条件の求人がある可能性が高いです。

そもそも非公開求人とは、企業側の都合で求人が公になっていない求人を指します。そして、企業側の都合とは「今後立ち上げる予定のプロジェクトの人員確保のため」や「応募が殺到してしまい、企業の採用担当者の仕事量を無駄に増やさないため」などです。

非公開求人は公開されてしまうと、ライバル会社に経営戦略がバレてしまい、不利益になりかねません。また、有名な企業の場合は、応募が殺到してしまい、収集がつかなくなってしまう恐れもあります。

また、マイナビエージェントで取り扱っている求人は約80%が非公開求人であることがホームページで紹介されています。つまり、ほとんどの求人は非公開求人です。

そして、非公開求人に出会うためには、転職エージェントを介して紹介してもらうしかありません。求人サイトでどれだけ検索しても非公開求人は見つかりません。

非公開求人は、条件面でも優れた求人が公開求人と比べても多いです。私が紹介してもらった非公開求人の中にも、「こんなに給料をもらってもよいのだろうか」と感じてしまうくらい条件がよいものもありました。非公開求人を紹介してもらえることは、転職エージェントを利用する最大のメリットと言えます。

非公開求人を紹介してもらうことで、満足できる転職を達成できる可能性が高まります。

担当者との相性は運次第なので、リスクヘッジも考えておく必要がある

私がマイナビエージェントを活用したときは、担当者の方が丁寧に対応してくれる方だったので、自分の希望を素直に話すことができました。私が利用した転職エージェントのなかで最も印象がよかったと感じています。

その一方で、担当者によっては話をしていて苦痛に感じる人がいたのも事実です。私が利用した転職エージェントのなかには、威圧的な話し方をする人もいました。

しかし同じ担当者に当たっても、求職者が違えば感じ方は異なります。同じ対応をされても、何も感じない人もいれば、不快に感じる人もいます。

つまり、担当者との相性は利用してみなければわからず、完全に運次第です。また、どうしても実力や経験がない担当者に当たってしまう可能性は避けることができません。

そこで、あなたの転職活動をスムーズに進めるためには、複数の転職エージェントを活用することをおすすめします。実際に私は転職活動のときに5社のサービスを受けました。

複数の転職エージェントを利用することを、転職エージェントが悪く思うのではと感じるかもしれませんが、その点は全く問題ありません。むしろ、正直に話した方がよいです。

私が転職エージェントを利用しているときも、「ほかの会社のサービスを利用しているか」を質問されました。私は正直に答えましたが、「他社で就職が決まれば早く伝えてほしいし、万が一紹介する求人が重複した場合も言ってもらいたい」と言われ、問題視されることはありませんでした。

担当者との相性が悪いと、無駄なストレスを感じながら転職活動をしなければなりません。スムーズに転職活動を進めるためには、リスクを回避することも重要です。

マイナビエージェントを活用して転職を成功させる

マイナビエージェントは、主に20代と30代の転職に力を入れている転職エージェントです。幅広い業界・職種の求人を取り扱っており、研究職、開発職の求人も多いです。

取り扱っている求人のエリアのほとんどは関東と関西エリアです。しかし、研究職と開発職の求人はこれらのエリアに集中しているので、問題になることは少ないでしょう。

また、マイナビエージェントは夜遅い時間や土曜日も転職の相談に乗ってくれるので、夜遅くまで仕事をしている人にとっては利用しやすい転職エージェントといえます。

マイナビエージェントの転職支援サービスは、公式サイトから登録することで受けることができます。職務経歴書の添削や面接対策などの基本的なサービスも整備されています。

そして、マイナビエージェントを利用することで、非公開求人を紹介してもらえるようになります。非公開求人には優れた条件の求人がある可能性が高いです。

マイナビエージェントのサービスを最大限に利用して、転職を納得できるものにしましょう。